スズメバチの『樹脂標本』を作りました~材料と作り方の紹介~

FRPを利用した「スズメバチ」の樹脂標本の作り方

スズメバチの樹脂標本を作りました。
樹脂標本といえば、クリスタルレジンなどを使うのが一般的ですが少々お高いので、材料費を安く抑えるため、今回はFRPという素材を利用しました。

樹脂標本を作った理由

トラップで捕獲した大きくて立派なスズメバチは、捨ててしまうのが勿体ないので、『何匹かとっておこう』と思い保管していました。

しかし、日数が経つにつれ、臭いが徐々に強くなり家庭で保管するには厳しいレベルに達してしまったのです。

いろいろと調べたところ、樹脂標本なら臭くない、しかも壊れにくい・気軽に持ち運びができる・手にとって観察することができると分かり、これは作ってみるしかない!と思い、実際に作ってみました。

樹脂標本の材料~FRPについて~

冒頭でもご紹介したとおり、樹脂にはFRP(エフアールピー)を使用しました。

私が標本作りに使用したFRP

FRPとは?

FRPは、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料です。安価・軽量で耐久性が良いので船体や、自動車・鉄道車両の内外装、ユニットバスや浄化槽などに使われています。

FRPはホームセンターで1,300円~2,000円で買うことができます。

標本用FRP

最近では標本用のFRPという、良いものが売っています。
今回、私はサーフ用を使用しましたが、標本を作るのなら標本用のFRPの方が良いと思います。

私がサーフ用を使用した理由は、近所のホームセンターでは標本用FRPの取り扱いが無かったからです。
後で調べたらネットで購入が可能でした。

日本特殊塗料 FRPポリエステル樹脂注型用
主に博物標本、花、貝などの封入物を入れ流し込むFRP樹脂です。

スズメバチの樹脂標本の作り方

オオスズメバチの樹脂標本

材料

標本にする昆虫、FRP、FRP硬化剤

使用する道具

混ぜる容器(紙コップなど)、割り箸、標本用容器(小さめのタッパなど)、スポイト

作り方

1.昆虫を乾燥させておく

2.容器にFRPと硬化剤を入れ、よく混ぜる

紙コップなどの容器にFRPと硬化剤を入れて、割り箸でよく混ぜます。
混ぜると10分ほどで硬化反応が始まります。

硬化剤とは?

私が標本作りに使用したFRP硬化剤

硬化剤はFRPを硬化させるために必要なものです。
FRPと硬化剤を混ぜると、化学反応が起こり硬化が始まります。

硬化剤がないと、FRPを固めることができませんので、一緒に購入しておくとよいでしょう。
ホームセンターの売り場などでは、大抵同じ棚に並んでいます。
また、ネットでも購入することができます。

日本特殊塗料 FRPポリエステル硬化剤
ポリエステル樹脂に添加して使用する硬化剤(ハードナー)です。

FRPと硬化剤の比率

FRPと硬化剤の比率は、FRP100に対して硬化剤1~3%程度です。

FRPは気温により硬化反応に違いが出ます。
夏場など気温の高い時は1%、冬などの気温の低い時には3%程度です。

スポイトの1滴は大体0.03〜0.05ml程度ですので、

夏場は、紙コップ半分程度(100ml)のFRPに対して、20滴
冬場は、紙コップ半分程度(100ml)のFRPに対して、40滴

がベストです。

3.FRPを段階的に流し込む

よく混ぜたFRPを、段階を踏んで標本用の容器に流し込みます。
段階を踏まずに一気に流し込むと、昆虫が浮いてきてしまい上手に作れません。
気泡ができた場合は、針やピンでつぶしてください。

私が標本用容器に使用した100均のタッパ

【段階1 】底になる部分

底になる部分まで流し込み硬化させます。

【段階2 】脚が埋まる程度まで

底になる部分が固まったら昆虫を入れ、FRPを脚が埋まる程度に流し込み硬化させます。

【段階3 】身体が埋まる程度まで

固まったら今度は身体が埋まる程度に流し込み硬化させます。

【段階3 】天井まで

固まったら、昆虫が全部埋まり天井が付く位まで流し込み硬化させます。

4.できあがり

硬化したら容器から外して出来上がりです。
表面の凹凸が気になる場合は、紙やすりで削りピカールなどの研磨剤で磨くと綺麗になります。

オオスズメバチ・コガタスズメバチの樹脂標本

  • このエントリーをはてなブックマークに追加